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2026.01.28 コラム 展示会・イベント出展
展示会は効果が出ない?よくある失敗と対策から費用対効果を高める具体策を解説

展示会への出展は、多くの企業にとって大きな投資です。設営費や出展料、当日のスタッフ稼働を含めると、決して安くはないコストがかかります。
しかし、「本当に効果が出ているのか?」「投資に見合う成果が得られているのか?」と社内で問われたとき、明確な根拠を持って答えられる担当者は意外と少ないのではないでしょうか。
展示会で思うような成果が出ない背景には、いくつかの共通した原因があります。
この記事では、展示会で効果を実感できない時によくある失敗と対策から、戦略的に成果を導き出すための実践的なポイントを解説していきます。
展示会の効果とは?「名刺の数」だけが成果ではない

「展示会の効果=名刺の枚数」と考えてしまうと、本質的な価値を見誤る可能性があります。
展示会がもたらす成果は多岐にわたるため、「定量的効果」と「定性的効果」に分けて整理・評価することが重要です。
数字で見える「定量的効果」(リード数・商談数・受注率)
最も分かりやすい指標が「定量的効果」です。
- リード獲得数:名刺の枚数だけでなく、ターゲット層の有効リード数。
- 商談発生数:その場での商談や、後日のアポイント数。
- 受注金額:展示会をきっかけに生まれた案件の売上総額。
CPA(顧客獲得単価)やROI(投資対効果)を算出する基礎データとなり、
次回の予算確保の根拠としても活用できます。
数字で見えにくい「定性的効果」(認知・信頼・営業ツール化)
数値化は難しいものの、中長期的に評価していくことが大切な定性的効果も重要な指標です。
定例的効果の例)
- 認知・ブランディング:業界内での存在感を示し、「この分野ならあの会社」という第一想起を獲得する効果。
- 市場調査:来場者の生の反応や競合他社の動きから、トレンドを肌で感じる機会。
- 営業ツールの資産化:展示会用に制作した動画やパネル、CGコンテンツを、その後の営業活動やWebサイトで継続的に資産を活用。
- 社内理解の促進:他部署の社員がブースに立つことで、自社製品への理解や愛着が深まるインナーブランディング効果。
なぜ展示会で「効果が出ない」と感じてしまうのか?よくある失敗と対策

「コストをかけたのに、期待したほどの成果が得られなかった」と感じる場合、いくつかの共通した原因が考えられます。
展示会の効果を最大化するには、出展前の準備から当日の運営、そして展示会後のフォローまで、各フェーズで押さえるべきポイントがあります。ここでは、よくある失敗パターンとその対策を順番に解説します。
目的とターゲットが曖昧なブース設計になっている
「とりあえず多くの人に来てほしい」という総花的なアピールは、結果として誰の足も止められません。
「誰に」「何を」伝えるかが定まっていないと、キャッチコピーもデザインもぼやけたものになり、来場者の関心を惹きつける力が弱まってしまう可能性があります。
■対策
展示会の出展前に、明確なペルソナ設定を行いましょう。
「誰の」「どんな課題を」「どのように解決するのか」を具体的に言語化し、以下のポイントを押さえることが重要です。
- ターゲットの業種・役職・抱えている課題を明確にする
- ブースデザインとキャッチコピーに一貫性を持たせる
- ターゲットに響くメッセージに絞り込む
ペルソナが明確になれば、訴求すべき内容も自然と絞られ、来場者の足を止める力が高まります。
ブースの「視認性」が低く、素通りされているから
どれほど優れた製品でも、気付かれなければ存在しないのと同じです。
展示会場では、以下のような「視認性の欠如」や「導線設計のミス」が集客数を大きく下げる要因となります。
- 社名ばかり大きく、「何の課題を解決するのか」が分からない
- 通路からの見通しが悪く、入りにくい雰囲気がある
- 照明が暗く、活気が感じられない
来場者の目線に立ったブース設計ができていないと、せっかくの出展機会を無駄にしてしまう可能性があります。
■対策
ブースの視認性を高めるには、一瞬で目を引く工夫が必要です。
- 通路から5メートル以上離れた位置からでも目立つ大型ビジュアルを設置
- 3DCGホログラムや透過型LEDディスプレイなど先進的な展示手法を活用
- 照明を効果的に配置し、明るく開放的な雰囲気を演出
- ブース前面に「何の課題を解決するのか」が伝わるキャッチコピーを大きく掲示
また、導線を意識したレイアウト設計で、来場者が入りやすい空間をつくることも忘れずに。
コンテンツで自社・製品の魅力を伝えきれていないから
展示会場では、来場者の多くが「売り込まれたくない」という心理から、スタッフに声をかけられることを避ける傾向があります。
だからこそ、展示パネルや映像などの「コンテンツ」が、スタッフの説明なしでも製品の魅力を伝えられる状態にしておくことが重要です。
コンテンツの訴求力が弱いと、せっかくブースに立ち寄った見込み客を逃してしまう可能性があります。
■対策
スタッフに依存しない「自走するコンテンツ」を用意しましょう。
来場者が自分のペースで情報収集できる環境を整えることで、スタッフが捕まえられなかった見込み客も逃しません。
- 製品の特長や導入効果が一目でわかる展示パネルを設置
- 短時間で理解できるデモ動画を繰り返し再生
- インタラクティブな体験コンテンツで来場者が自分で操作できる仕組みをつくる
特に動画コンテンツは、ビフォーアフターや数値データなど、視覚的にわかりやすい訴求ができるため、展示会との相性が良い手法です。
展示会後のフォロー体制が整っていない
展示会当日にどれだけ多くの名刺を獲得できても、その後のフォローアップがなければ商談につながりません。
多くの企業は展示会終了後、日常業務に追われて適切なタイミングでのアプローチを逃してしまい、せっかくの見込み客を失ってしまいます。
展示会の真の効果は、実は「展示会後」の行動で大きく左右されるのです。
■対策
展示会の投資を成果につなげるには、事前にフォロー体制とスケジュールを決めておくことが重要です。
- 展示会終了後3営業日以内にお礼メールを送信する
- 獲得した名刺を関心度・温度感で分類する(A・B・Cランクなど)
- 温度感の高い見込み客には個別の提案資料を送付し、営業担当者が直接フォロー
- フォロー状況を管理できる仕組み(CRMやスプレッドシートなど)を整備
また、展示会で使用した動画やパネルなどのコンテンツをWebサイトやメールマーケティングに転用することで、接触機会を継続的に創出できます。
来場者を惹きつけ、理解を深め、記憶に残すブースづくりの具体策

では、どのようにすれば展示会の効果を高められるのでしょうか。
ここでは、「視認性」「情報伝達」「体験価値」の3つの視点から、具体的な改善策をご紹介します。
「一瞬で何を売っているのかわかる」視認性と導線を設計する
会場を歩く来場者が一つのブースを見る時間は、わずか3秒程度といわれています。
この短い時間で関心を引き、足を止めてもらうには、視覚的なインパクトと心理的な入りやすさの両立が不可欠です。
■視認性を高めるポイント
- 高い位置に「解決できる課題」を一言で示すキャッチコピーを掲げる(社名よりも「何ができるのか」を優先)
- 大型ビジュアルや立体的な展示物で遠くからでも目立たせる(3DCGホログラムや透過型LEDディスプレイなど先進的な手法が有効)
- 明るい照明で活気のある雰囲気を演出する(暗いブースは避けられる傾向がある)
■導線設計で心理的障壁を下げる
- 通路とブースの境界を曖昧にし、開放的なレイアウトにする(壁やパーテーションで囲まれたブースは入りにくい印象を与える)
- ブース入口付近に「触れる・見られる」コンテンツを配置する(スタッフに声をかけられる前に、自然と足を踏み入れられる導線をつくる)
これらを組み合わせることで、来場者が「ちょっと見てみようかな」と思える環境が整い、足止め率の向上が期待できます。
動画・CG・デジタル展示で「情報伝達」を効率化する
複雑な構造の製品や、目に見えないサービスの効果を伝えるには、動画や3DCGの活用が非常に有効といえます。
- 大型モニターでの映像演出: 遠くからでも視線を集め、ブースへの誘引を図る
- 製品CG・分解図: 実機の中身や仕組みを分かりやすく可視化し、来場者の理解スピードを早める
スタッフがイチから説明する時間を短縮でき、より本質的な商談に時間を割けるようになるでしょう。
体験型の演出で「記憶に残る」ブースにする
単に見るだけでなく、触れる」「操作する」といったインタラクティブな体験を用意することで、来場者の記憶に強く残す「ことができます。
タッチパネルを使った製品検索や、VR/ARを活用したシミュレーション、ジェスチャー操作できるデジタルサイネージなど、
デジタル技術を組み合わせることで、来場者の記憶に強く残るブランド体験の提供に役立ちます。
展示会を「出展しただけ」で終わらせない会期後の具体策

展示会で得られる成果は、会期中の集客や反響だけで決まるものではありません。
展示会の真の価値は「会期後」の活用方法で大きく変わります。
- 獲得したリードへの適切なフォロー
- 展示会用に制作したコンテンツの二次活用
- 次回出展への改善サイクル
これら3つの戦略を実践することで、展示会への投資効果を高めることができます。
獲得リードへのフォローはスピードと優先順位がカギ
お礼メールは会期終了後、できれば即日、遅くとも3営業日以内に送るのが理想的です。
展示会の記憶が鮮明なうちにアプローチすることで、返信率が大きく向上します。
その際、すべてのリードに同じ対応をするのではなく、「確度」に応じた優先順位付けが重要です。
優先順位の例)
- ホットリード(今すぐ客): 即座に架電し、個別提案資料を送付
- ウォームリード(情報収集層): 定期的なメルマガ配信や事例紹介で関係性を維持
- コールドリード(名刺交換のみ): 長期的なナーチャリング施策で接点を保つ
アプローチを使い分けることで、営業リソースを効率的に配分できます。
制作した動画やCGをWeb・SNS・商談で二次利用する
展示会のために制作した動画やCGコンテンツを、展示会限りで終わらせるのは非常にもったいないことです。
一度制作したデジタルコンテンツは以下のように多面的に活用できます。
■Webサイトでの活用
- 製品ページに掲載し、テキストだけでは伝わりにくい機能や仕組みを視覚的に説明
- ランディングページに設置し、問い合わせ率の向上を図る
■SNS・動画プラットフォームでの活用
- YouTubeやSNSで発信し、展示会に来られなかった潜在顧客へリーチ
- 短尺版に再編集してInstagramやTikTokでの認知拡大に活用
■営業活動での活用
- 営業担当者のタブレットに入れ、商談時のプレゼンテーションツールとして使用
- オンライン商談での画面共有コンテンツとして活用
このように、一つのコンテンツを複数のチャネルで展開することで、制作費に対する投資対効果(ROI)を飛躍的に高めることができます。
費用対効果を高める展示会予算の使い方

展示会の予算には限りがあるため、どこに資金を投じるかが最終的な効果を左右します。
闇雲にコストを削減するのではなく、成果に直結する部分にメリハリをつけて投資することが重要です。
ここでは、費用対効果を高めるための具体的な予算配分の考え方をご紹介します。
「装飾の豪華さ」より「伝える力」に予算をシフトする
展示会のブース設計において、巨大な造作や派手な装飾で目を引く手法は今も有効です。
しかし、見た目のインパクトだけでは、来場者の記憶に残る「情報」を提供することはできません。
重要なのは、視覚的な訴求力と情報伝達力のバランスです。
例えば、以下のような予算配分の見直しが考えられます。
- 壁面の装飾費を抑え、製品紹介動画や3DCGコンテンツの制作費に回す
- パーテーションのグレードを下げ、インタラクティブな体験型デモの開発費に充てる
- ブースサイズを縮小し、その分をデジタルサイネージや先進的な展示手法に投資
来場者が展示会後に思い出すのは、ブースの豪華さではなく、「そこで得られた情報の質」です。
限られた予算の中で、見た目と中身のどちらにより多く投資するかを戦略的に判断することが重要です。
二次利用を前提とした制作で、長期的なコストを下げる
展示会専用として作ったパネルや映像は、一度きりの使用では割高になってしまうことがあります。
制作段階から「どこで再利用できるか」を想定しておくことで、コンテンツ1つあたりの投資価値を大幅に高めることができます。
■二次利用できる場面の例
- Webサイトの製品ページやランディングページ
- 営業担当者の商談プレゼンテーション資料
- 社内エントランスやショールームでの常設展示
- SNSやYouTubeでのプロモーション動画
- オンライン展示会やウェビナーでの活用
一つのコンテンツを多用途に展開することで、マーケティング全体での制作コストを圧縮し、結果として高い費用対効果の実現に役立ちます。
まとめ
展示会の効果は、定量的な成果に加えて、認知向上や市場調査、営業ツールの資産化といった定性的な効果も含めて、総合的に評価することが重要です。
そして、展示会で成果を出すには、出展前の準備・当日の運営・会期後のフォローという一連の流れを戦略的に設計する必要があります。
- 出展前: 明確なターゲット設定と、視認性の高いブース設計、事前集客
- 当日: 自走するコンテンツで来場者の理解を深め、記憶に残す体験を提供
- 会期後:スピーディーなフォローと、制作したコンテンツの多面的な活用
展示会は単なるイベントではなく、リード獲得・ブランディング・営業力強化を同時に実現できる貴重な機会です。この記事でご紹介した視点を取り入れながら、次回の出展をより戦略的に、より効果的なものにしていただければ幸いです。
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